新年度の子供たちの緊張や不安をケアする方法で、「呼吸法」と「オレンジの精油」を
使う方法をご紹介しましたね。
そこで、もう少し詳しく「精油」がもつ作用をお伝えしたいと思います。

アロマテラピーでは、植物の果実の皮や実、葉や花から抽出した香りを
「精油=エッセンシャルオイル」と呼んでいます。
香りの抽出方法は、いくつかあるのですが、オレンジの場合は「圧搾法」と
いって、オレンジの皮を機械のローラーで圧搾して遠心法で分離し低温で
抽出しています。
熱を使わないので、自然そのままの香りなのでとてもフレッシュなのが
特徴です。

神経の疲労や、うつ状態、不安や心配、イライラ、めまいなどを緩和してくれる
成分を含みます。(芳香成分の話になると、難しくて眠くなるのでやめときます(笑))
認知症の予防や、うつ症状の緩和ケアとしても活用されていて、現在では臨床データが
発表されるようになりました。
アロマテラピーは香りの楽しむ趣味という傾向が日本では強いですが、欧米では
精油で体調不良を改善するのは、わりと一般的な手法です。

精油がなぜ、精神的な疲労のケアなどのようにメンタル系に作用するかというと
人の感情をつかさどる原始的な脳といういわれる「大脳辺縁系」に作用するから
なんですね。
香りの刺激が脳に伝わる時間は0.2秒!体をぶつけて痛みを感じる時間は
およそ0.9秒といいますから、かなり香りの刺激が早いことがわかります。
(だから気分が落ち着くのが速いんですよ)

また、「海馬」と呼ばれる記憶をつかさどる脳の部分にも作用しますので
懐かしい香りを嗅ぐと、その時の記憶まで思い出されることは、このことからも
立証されています。
小さいときの記憶と密接した関係にあるので、好きな香りを嗅ぐと
古い記憶を思い出したり、イライラを忘れたり、何となく気分が落ち着くというのは
この脳への刺激があるからなんです。

精油は光を通しにくい遮光びんに保存して販売されています。
柑橘系の香りは、熱を使いませんので開封から6か月間が使用期限です。
ドロッパーびんといわれる専用の容器に入っていて、1滴が0.05ミリ単位で
しずくのように落ちる特殊なものです。
精油は、植物のもつ香り成分を濃縮したものになるので、使用する際は
安全な量を使用することが必要になります。
精油を持っているけど、使い方がよくわからないとか、もっと詳しく知りたい
というかたは、ご遠慮なくお申し出ください。